介護業界では不可欠な円満退職
円満退職とは良く言われるが、職場を円満に退職するということは簡単なようで難しい問題だ。どこの業界においても、世間は広いようで狭く、転職した職場で、あらぬ噂を立てられると仕事にも大きく影響がでてしまう。特に、管理職の立場の人が円満に退職をしようとするならば、一年計画で念入りに準備をして根回しをしなければならない。
また、入社後の経歴が浅い社員であっても、辞めるということは欠員となるため、直属の上司にとっては部下の人事掌握を問われるのは避けられない。辞めればすむという簡単なことではなく、本人が見えないところで迷惑をかけるものなのだ。近年急速に拡大した介護事業などは、雇用条件に格差があるため人の流通が激しいのが実情だ。介護の何らかの資格を持っていれば、その資格に基づいて次の仕事を行うだけなので、転職にさして不安がない。
ところが、介護の仕事は、人間を相手にしており、それも、障害を持った弱い人たちに関わる仕事だ。例えば、ヘルパーの仕事で勤めておれば、毎回訪問するお年寄りの中には、すっかり気を許して話をする人もいるだろう。家族にも信頼を得て、生活や人生の相談まで話す人もいるだろう。円満退職とは、会社を円満に退職するというだけのものではないのだ。本人が行っている仕事を、次に行う人に、円満に引き継いでいくことも入っているのだ。悪い噂は、はやい速度で広まり、いくら次の職場を笑顔で接していても、仕事に影響が出てくるものだ。